都会では味わえない“非日常”とは

根尾川の非日常体験|川の音と炭火の鮎が届ける、日常から少しだけ離れる時間

「同じ1時間なのに、ここにいると時間の流れがまったく違って感じる。」 初めてご来店されたお客様から、よくこんなお声をいただきます。 私たち「上長瀬やな 和亭(なごみてい)」が根尾川のほとりでお届けしているのは、ただの「鮎料理」ではなく、都会では味わえない”根尾川時間”という非日常の体験です。

車を降りると、まず聞こえてくるのはエンジン音ではなく、川のせせらぎと鳥の声です。 スマートフォンの通知音が遠く感じられるような環境の中で、炭火のはぜる音とともに焼き上がる鮎の香りに包まれる──それが、私たちのお店がご用意している時間の流れです。

「昔、家族でやなに行った思い出が忘れられなくて」と、孫世代を連れて来てくださるお客様も少なくありません。 世代を越えて受け継がれてきた”夏の記憶”の舞台となる場所でありたいと、私たちは願っています。

根尾川がつくる「音・光・風」の非日常空間

都会では、「川の音」を意識することはあまりないかもしれません。 しかし、和亭の入口を一歩くぐると、まず耳に飛び込んでくるのは、根尾川の流れが岩に触れて生まれるやわらかな水音です。

根尾川は、岐阜県を流れる清流のひとつで、水が澄んでいるからこそ川底の石までくっきりと見えます。 川の水は太陽の光を反射し、日中はキラキラと眩しいほど、夕方にはオレンジ色に染まり、時間帯によってまったく違う表情を見せてくれます。

川のそばは、街中に比べて気温も少し低く、特に夏は風が抜けると「クーラーいらず」と言われるほどです。 屋内の冷房とは違い、自然の風は肌に当たる感覚がやわらかく、深呼吸をするだけで、胸の奥まで新鮮な空気が入っていくように感じられます。

ある夏の日、名古屋からお越しになったご夫婦が、こんなことをおっしゃっていました。 「朝出るときはアスファルトからの熱気でくらくらしていたのに、ここに来たら、同じ夏とは思えないですね。」 鮎料理を楽しんだあと、しばらく川辺のベンチに座って風に当たりながら、「これだけで、ちょっとした旅行以上のリフレッシュになる」と笑顔でお帰りになりました。

自然の非日常は、決して派手なものではありません。

  • エアコンの音ではなく、川のせせらぎに耳を傾けること
  • ビルの窓ではなく、山の稜線と空のグラデーションを眺めること
  • 信号待ちではなく、川の流れにあわせてぼんやりと時間を過ごすこと

こうした一つひとつの積み重ねが、気づけば心と身体をゆるめてくれるのです。

夜になると、運がよければホタルの光がふわりと飛び交うこともあります。 ホタルは、水のきれいな場所にしか棲めないと言われる小さな生き物です。 小さなお子さま連れのお客様がホタルを見つけたとき、「本当に絵本の世界みたい」と目を輝かせていた姿は、スタッフにとっても忘れられない光景のひとつです。

こうした「音・光・風」に満ちた景色の中で、鮎料理を味わっていただくことこそが、都会の日常から少しだけ離れた”根尾川の非日常”だと私たちは考えています。

千年続く「やな漁」と鮎専門店のこだわり

当店の名前にもある「やな」とは、川に竹や木を組んで仕掛けをつくり、流れに乗ってくる魚を受け止める、日本の伝統的な漁法です。 少なくとも千年以上の歴史があると言われ、平安時代から「簗(やな)」の文字が記録に残っているほど、古くから行われてきました。

ここで、専門用語を簡単にご説明します。

  • 簗(やな):川の一部に竹や木をすのこ状に組んだ”魚の通り道”のような仕掛けで、流れてくる魚を受け止めるための伝統的な漁具です。
  • 遡上(そじょう):下流や海で育った魚が、産卵のために上流へ向かってのぼっていくことを指します。

やな漁は、網で追いかけたり、船で追い込んだりするのではなく、「魚が通る道に、自然の流れを利用して待ち構える」スタイルの漁です。 川に負担をかけにくく、竹などの自然素材を使うことから、現代の言葉でいえば”環境にやさしい漁法”と言えるかもしれません。

上長瀬やなでは、根尾川の流れや川底の形を見極めて簗を設置し、雨のあとには水位や流速を確認しながら、細かく調整を行っています。 大雨の翌日、スタッフが総出でやなの竹のゆがみや流木の引っかかりをチェックし、「今日はここを少し開けよう」「この部分を補強しよう」と相談する姿は、まさに現代の”川守”のような仕事です。

当店の店主は、魚屋として30年以上の経験を持つ鮮魚のプロです。 長年の目利きで培った感覚を活かし、その日の鮎の状態を「目で見て、手で触り、香りで確かめる」ことを欠かしません。

鮎は「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれます。 これは、鮎の身からスイカやキュウリのようなさわやかな香りがすることからついた名前で、この香りこそが鮎の魅力のひとつです。 また、鮎は「一年魚」とも呼ばれ、卵からかえって一年ほどで一生を終える、短いサイクルの中で生きている魚です。

つまり、その年の川の状態や天候によって、味や香りが大きく変わる魚でもあります。 私たちは、長年の経験から「今年の根尾川の鮎は、香りが強め」「この時期は身の締まりがよく塩焼き向き」といった違いを見極め、その日ごとにベストな提供方法を考えています。

ある年、例年より雨の多い夏がありました。 川の水が増え、鮎の育ち方にも少し影響が出ていたのですが、その年の鮎を召し上がった常連のお客様が、「今年は身がぎゅっと締まって、これはこれでおいしいね」とおっしゃったのです。 自然の変化を、そのまま「今年の味」として受け止めてくださるお客様に、私たち自身も支えられていると感じました。

伝統漁法のやなと、鮮魚のプロとしての経験を掛け合わせることで、「今年の根尾川の鮎」を最高の形で味わっていただく。 それが、上長瀬やな 和亭が大切にしている専門性です。

炭火焼鮎コースが生み出す「おいしさの非日常」

非日常は、景色だけでは生まれません。 テーブルに運ばれてくる料理の一皿一皿が、その日、その場だからこそ味わえるものであることも大切です。

当店の看板メニューは、炭火でじっくり焼き上げる「鮎の塩焼き」を中心とした炭火焼鮎コースです。 炭火焼きの特徴は、ガス火とは違い「遠赤外線」の力で、食材の中心部までじんわりと熱を通せることです。

  • 遠赤外線:目に見えない熱エネルギーの一種で、表面を焦がしすぎずに中までふっくらと火を通す性質があります。
  • 化粧塩:焼き魚の皮目に丁寧に振る塩のことで、味付けだけでなく、表面を均一に焼き上げ、見た目も美しく整える役割を持ちます。

和亭では、炭火台の前に立つスタッフが、火の色・炭の組み方・鮎との距離を細かく調整しながら焼き上げていきます。 「串打ち三年、焼き一生」と言われるように、焼き魚の世界は非常に奥が深く、同じ鮎でも火加減ひとつで味が変わってしまうほどです。

串を打つときも、ただ真っ直ぐ刺すのではなく、「鮎が川を泳いでいるように見える」角度と弧を意識しています。 こうすることで、見た目が美しいだけでなく、熱の入り方が均一になり、皮はパリッと、中はしっとりとした理想の焼き上がりになります。

ある日、「家でも鮎を焼いてみるけれど、どうしても同じ味にならない」と話してくださったお客様が、焼き場をじっと眺めていらっしゃいました。 炭の上で鮎がゆっくりと回されていく様子を見て、「こんなに細かく火の高さを見ているとは思いませんでした」と驚かれていたのが印象的です。

コースでは、塩焼きだけでなく、鮎の甘露煮や唐揚げ、〆の鮎雑炊など、いろいろな調理法で鮎を味わっていただけます。 甘露煮は、じっくり時間をかけて煮込むことで、骨までやわらかく、頭から尻尾まで丸ごと食べられるように仕上げています。

鮎雑炊は、「胃にやさしい」と特にご年配の方に好評です。 炭火焼きにした鮎からとっただしは、しっかりと旨味がありながらも、くどさのないやさしい味わいで、「満腹なのに不思議と食べられる」と言われることも多い一品です。

実際に、「普段は締めのご飯ものまでなかなかたどり着けない」というお客様が、鮎雑炊を一口召し上がったあと、「これは別腹ですね」と笑いながら完食されたことがあります。 その一言に、私たちが大切にしている「おいしさの非日常」が凝縮されているように感じました。

季節ごとに鮎の表情が変わるのも、専門店ならではの楽しみです。

  • 初夏の若鮎は、身がやわらかく、香りも軽やかで、鮎デビューの方にもおすすめです。
  • 盛夏には、身にほどよく脂がのり、香りと旨味のバランスが最高潮に達します。
  • 秋には、卵を抱えた子持ち鮎や、産卵のために下る「落ち鮎」が登場し、濃厚でコクのある味わいを楽しめます。

「去年は8月に来たから、今年は若鮎の頃に来て違いを比べたい」と、季節を変えて何度も足を運んでくださるお客様もいらっしゃいます。 同じ川、同じ店でも、季節や年ごとに違う味わいを楽しめることこそ、鮎専門店の魅力だと感じています。

初めての方も安心できる「やさしい非日常」のつくり方

「鮎料理は初めてで、どう食べたらいいかわからない。」 「川魚は少し苦手で…。」 そんな不安を抱えて来店されるお客様も、実は少なくありません。

和亭では、初めて鮎を召し上がる方にも安心して楽しんでいただけるよう、調理や衛生面の管理はもちろん、「食べ方のご案内」や「ご質問へのお答え」も大切な仕事だと考えています。

たとえば、よく聞かれるのが「頭や骨は食べても大丈夫ですか?」というご質問です。 当店では、鮮度と火入れをしっかりと管理し、骨まで火が通るようじっくり焼き上げていますので、基本的には頭から尻尾まで安心してお召し上がりいただけます。 ただし、噛み切りにくいと感じる方や、小さなお子さま、ご年配の方には、無理をなさらないよう、食べやすい部分から楽しんでいただくようにお声がけしています。

鮎の内臓(はらわた)は、ほろ苦さが特徴で、大人向けの味わいです。

  • 内臓(はらわた):魚のお腹の中にある部分で、鮎の場合、この部分に独特の苦味と深い旨味があり、「これがないと鮎を食べた気がしない」という方もいるほどです。

「この苦味は大丈夫ですか?」「食べなくてもいいですか?」といった問いかけには、「苦手な方は無理に召し上がらなくても大丈夫ですよ」とお伝えしつつ、初めての方には「ほんの一口だけ試してみますか?」と、さりげなく背中を押すこともあります。

実際に、「鮎は苦手で、普段は絶対に口にしない」と話していたお客様が、ご家族に誘われてご来店されたことがありました。 最初はかなり慎重に箸を入れていたのですが、ひと口、ふた口と食べ進めるうちに、「あれ、思ったより全然臭みがないですね」と表情が変わり、気づけば一尾をきれいに食べきっていらっしゃいました。 帰り際には、「川魚のイメージが変わりました。また来ます」とおっしゃり、後日ご友人を連れて再び訪ねてくださったときは、スタッフ全員で嬉しくなりました。

安全面では、以下のような取り組みを欠かしません。

  • 毎朝、その日に提供する鮎の状態を店主自らチェックし、量を決めること
  • 火の通り具合を一本ずつ確認し、焼きムラがないように仕上げること
  • 調理場・客席ともに衛生管理を徹底し、川辺でも安心して食事ができる環境を保つこと

アレルギーや苦手な食材がある場合は、ご予約時やご来店時に遠慮なくご相談ください。 可能な範囲でメニューの調整やご提案を行い、その方にとっての「ちょうどいい非日常」をご一緒につくっていきたいと考えています。

都会の日常から少し離れ、しかし”構えずに楽しめる”場所であること。 それが、上長瀬やな 和亭が目指す「やさしい非日常」のかたちです。

根尾川へ、少しだけ足を延ばしてみませんか

名古屋や岐阜市などの都市部から、根尾川のある揖斐川町までは、決して「遠すぎる場所」ではありません。 それでも、川の音と山の緑に囲まれた風景は、日常の延長というより、ちょっとした小旅行のような特別感があります。

「日帰りでも、じゅうぶん非日常を味わえる。」 これは、実際にご来店いただいたお客様からよくいただくお言葉です。

  • 午前中に出発して、昼食に鮎コースを楽しむ。
  • 食後は川べりを散策し、子どもたちは足を水に浸してはしゃぐ。
  • 夕方前には車に乗り込み、「明日からまた頑張ろうか」と話しながら帰路につく。

そんな「小さな旅のモデルコース」のような過ごし方をされるお客様も増えています。

団体様でのご利用や、三世代での家族旅行の立ち寄り場所としても、和亭はご利用いただいています。 座敷席やテーブル席をご用意しており、靴を脱いでゆったり過ごしていただくことも、椅子席で楽に腰掛けていただくことも可能です。

以前、「ここでプロポーズをしたい」というご相談を受けたことがありました。 夕暮れ時、川面が少しずつ暗くなっていく時間にあわせて、お席や料理を整え、スタッフもできる限りの応援をさせていただきました。 後日、「無事に成功しました。また記念日にふたりで訪ねたいです」とご報告をいただき、私たちにとっても忘れられない出来事となりました。

上長瀬やな 和亭は、派手な観光施設ではありません。 しかし、だからこそ「日常と非日常のちょうど真ん中」のような場所として、ふと思い立ったときに帰ってこられる川沿いの食卓でありたいと願っています。

  • 都会の喧騒から少し離れたいとき
  • 季節の移ろいを、五感で味わいたいとき
  • 家族や大切な人との時間を、いつもより少し丁寧に過ごしたいとき

そんなときには、ぜひ根尾川の「上長瀬やな 和亭」を思い出していただければ幸いです。 川のせせらぎと炭火の香り、そして焼きたての鮎をご用意して、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。



🍃**上長瀬やな 和亭(なごみてい)**🍃

2025年度の営業は終了いたしました
今年もたくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。
2026年度の営業は7月1日からとなります。来年もまたよろしくお願い致します😄


岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。

📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ:0585-55-2630
🕒 営業時間: 11:00~ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応

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