はじめに:鮎と一緒に育った町の記憶 🏞️
岐阜県揖斐川町、根尾川のほとりにある「上長瀬やな 和亭」には、毎年のように鮎の季節になると、たくさんの「思い出話」が集まります。
「子どもの頃、親に連れられてやなに来たんです」 「若い頃、デートで来てね」 「いまは孫を連れてきています」
——そんな言葉を聞くたびに、鮎は単なる川魚ではなく、人生の節目に寄り添ってきた存在なんだと、あらためて感じます。
和亭は魚屋一筋30年の店主が始めた鮎専門のお店で、「いちばんおいしい鮎を、いちばんいい状態でお出ししたい」という思いで、根尾川の清流と向き合ってきました。
今回の記事では、お店目線で印象に残っているエピソードを織り交ぜながら、「地元の人が語る鮎の思い出」をご紹介します。
🎐 子どもの頃の夏休みと鮎:初めての「やな体験」
地元のお客様から、いちばんよく聞くのが「子どもの頃の夏休み」の思い出です。
根尾川沿いの子どもたちにとって、夏と言えば「川遊び」と「鮎の塩焼き」、そして「やな」の風景は、当たり前のようにそこにある夏の風物詩でした。
🔥 川の音と炭火の匂いを覚えている
ある常連さんが、こんな話をしてくれました。
「小学生のころ、父が『今日はやなに行くぞ』と言うと、もうその瞬間からワクワクが止まりませんでした。車から降りたとたんに聞こえるゴウゴウという川の音と、炭火で焼ける鮎の香り。あの匂いをかぐと、今でも一瞬で子どもの頃に戻れる気がします」
実際に、根尾川は鮎が住めるほど水質がきれいな清流で、川の流れる音も澄んだ響きがあります。
和亭の炭火焼きは遠赤外線の効果で外はパリッと、中はふっくら焼き上がるため、その香りは子どもにとっても強く印象に残るようです。
😊 初めて「丸かじり」した日のドキドキ
鮎料理が初めてのお子さまにとって、「頭から尻尾まで食べられる魚」は少し勇気がいる存在かもしれません。
しかし、実は鮎の骨はやわらかく、カルシウムも豊富で、慣れてしまえば子どもでも丸ごと食べやすい魚です。
よくある会話はこんな感じです。
親御さん「頭は残してもいいよ」
子どもさん「え、でもおじいちゃんが”全部食べられるんやぞ”って言ってた」
店主「じゃあ、いちばんカリッと焼けたやつを持ってくるでな。無理せん程度に、ちょっとだけかじってみぃ」
最初は恐る恐るかじったお子さんが、「あれ?おいしい!」と目を丸くして、気づけば頭から尻尾まで完食してしまう——そんな場面を何度も見てきました。
後日、その子が大きくなってから「ここで初めて魚を丸ごと食べたの、覚えてます」と言ってくれると、こちらまで胸が熱くなります。
📚 夏休みの宿題と根尾川
地元の小学生にとって、根尾川での体験は夏休みの自由研究の定番でもあります。
「鮎がきれいな川にしか住めない理由」や、「やな漁の仕組み」をテーマにして、写真やイラスト、インタビューをまとめてくれるお子さんも少なくありません。
- 川底の石に付く藻(も)の種類
- 川の流れの速さと鮎の付き方
- やなに流れ着く鮎の様子
こうした視点で根尾川を見ることで、「ただの川」ではなく、「鮎と人の暮らしを支える場」としての姿が見えてきます。
和亭では、夏休みのお子さまたちにはできるだけ分かりやすい言葉で、鮎や川のことを説明するよう心がけています。
💑 青春時代の思い出:鮎とデートとちょっと背伸びのランチ
鮎の思い出話には、「青春」と切り離せないエピソードも多くあります。
高校生や大学生の頃に「ちょっと大人なデート」として、根尾川のやなに来られたというお客様も少なくありません。
🚗 「車で来るのが夢だった」というお客様
ある40代のお客様は、笑いながらこう振り返ってくれました。
「高校生の頃、友だちと『いつか自分で運転して、彼女をやなに連れてくるんや』って話してたんですよ。川沿いの道を走って、窓を開けたら涼しい川風と焼き鮎の匂いが入ってくる。そんな妄想だけで楽しかったですね(笑)」
その方は実際に、免許を取ってすぐの頃に当時の彼女を連れて来てくれたそうです。
「運転はガチガチ、でも鮎の塩焼きだけは堂々とおすすめしてました」とおっしゃっていましたが、その姿を想像すると、こちらまでほほえましい気持ちになります。
🍽️ 鮎の塩焼きがくれた「沈黙の時間」
デートでの食事は、会話が途切れないかどうか、少し緊張するものかもしれません。
ところが、炭火でじっくり焼いた鮎が目の前に運ばれてくると、多くのお客様が一瞬黙り込みます。
- 皮がパリッと割れる音
- 立ちのぼる香り
- 熱々の身をふーふーしながらほおばる瞬間
この「沈黙」は、決して気まずさではなく、**「おいしさに集中している時間」**です。
あるお客様は「会話が止まっても、鮎がおいしければ、それだけで空気がもつんですね」と笑っておられました。
💍 プロポーズと鮎コース
中には、「やなでプロポーズしました」というお話もあります。
夕暮れ時、根尾川の水音が少し静かになってくる時間帯に、炭火焼きのコースをゆっくり楽しんだあと、デザート代わりに用意していたメッセージカードをそっと渡す——そんなシーンのお手伝いをしたこともあります。
- 川のせせらぎがBGM
- 提灯やライトの柔らかな明かり
- 鮎の骨酒のほのかな香り
「派手ではないけれど、二人らしい時間でした」と後日ご報告をいただいたときは、スタッフ一同、胸がじんとしました。
鮎の季節になると、「あのときプロポーズした場所に、今度は子どもを連れてきました」と再訪してくださるご夫婦もいて、鮎が人生の節目をそっと彩っているのだと感じます。
👨👩👧👦 家族三世代で囲む鮎:受け継がれていく「根尾川の味」
上長瀬やな 和亭の特徴のひとつが、「三世代でのお客様」が多いことです。
おじいちゃん・おばあちゃん、お父さん・お母さん、そしてお子さんやお孫さん——同じテーブルを囲んで鮎を味わう光景は、見ているだけで温かい気持ちになります。
👴 「昔はあそこで泳いどったんやぞ」と指をさすおじいちゃん
根尾川の流れを眺めながら、おじいちゃんが孫に向かって、こう語っている姿をよく見かけます。
「ほら、あの岩のあたり。おじいちゃんはあそこでよう飛び込みしとったんやぞ」
「えー!こわくないの?」
「当時はそれが普通やったんや」
そんな会話のあとに運ばれてくる鮎の塩焼きは、単なる一皿ではなく、「時代をまたいで共有される記憶」のように感じられるのだと思います。
鮎は一年で一生を終える「一年魚」ですが、その短い命が紡ぐ思い出は、こうして何十年も受け継がれていきます。
🎉 「鮎が苦手だったのに完食!」というお孫さん
以前、こんなエピソードがありました。
おじいちゃんが「孫に本物の鮎を食べさせたくて」と、三世代でいらっしゃったご家族です。
しかし、お孫さんは最初、「魚のにおいがちょっと苦手で……」と表情が固めでした。
そこで、スタッフができるだけ香ばしく、皮をパリッと焼き上げた小ぶりの鮎を選び、「骨ごと食べやすい焼き方」に仕上げてお出ししました。
最初のひと口の後、少し間があって——
「あれ?ぜんぜん臭くない」
「サクサクしてる」
「これなら食べられる!」
と笑顔に変わっていく様子は、見ていて本当にうれしい瞬間でした。
食後、おじいちゃんが「じいちゃん、うれしいわ」と目頭を押さえていた姿は、今でも忘れられません。
🍚 食後の鮎雑炊がつなぐ会話
コースの最後にお出ししている「鮎雑炊」は、胃にやさしく体を温めてくれる、和亭ならではの締めの一品です。
鮎の出汁がしっかりとしみ出た雑炊を、家族みんなですすりながら、その日の思い出をゆっくり語り合う——そんな時間もまた、「三世代の鮎の思い出」の一部になっていきます。
「来年はお友だちも連れてこようか」
「次は違うコースを頼んでみよう」
「今度は秋の落ち鮎も食べてみたいね」
こうした言葉を聞くたびに、鮎は「一度きりのご馳走」ではなく、「毎年の楽しみ」として根尾川の暮らしに根づいていると感じます。
🌊 地元の人だけが知っている「鮎シーズンの景色」
鮎の思い出には、味だけでなく「景色」が深く刻まれています。
根尾川の鮎シーズンは、初夏の若鮎から、夏真っ盛りの脂が乗った鮎、そして秋の落ち鮎へと少しずつ表情を変えながら続きます。
🌅 朝の根尾川と、静かなやなの風景
地元の方の中には、鮎を食べに来る前に、少し早めに到着して川沿いを散歩される方も多くいらっしゃいます。
朝の根尾川は、日中よりも空気がひんやりとしていて、水面もやさしい光を反射しながら静かに流れています。
- まだ人の少ないやなの板場
- 遠くで聞こえる鳥のさえずり
- 川面をすべるように泳ぐ鮎の影
こうした風景を眺めていると、「ああ、また今年も鮎の季節が来たな」と、自然と深呼吸をしたくなるのだと、地元のお客様はよく話してくださいます。
🌧️ 雨上がりの川と、鮎の味の変化
根尾川の鮎は、水位や水質のちょっとした変化にも敏感です。
雨上がりには、川の濁り具合や流れの速さを見ながら、仕入れる鮎の状態を細かく確認しています。
魚屋歴30年の店主は、
「同じ根尾川でも、昨日と今日で鮎の顔つきが違う。川の機嫌を見ながら、その日いちばんいい状態の鮎を選ぶのが仕事やね」
とよく言います。
地元の常連さんの中には、「あ、今日は水多いな」「昨日の雨で少し水温が下がったかな」と川を見ただけで察する方も多く、そんな会話をしながら鮎を楽しんでいただけるのは、清流の町ならではの光景です。
🍂 秋の落ち鮎と、少し切ない夕暮れ
10月ごろになると、鮎は産卵のために下流へと下っていき、いわゆる「落ち鮎」の季節になります。
身に脂が乗り、卵や白子を蓄えた落ち鮎は、夏の爽やかな味とはまた違う、濃厚でコクのある味わいが楽しめます。
一方で、地元の方の多くが「鮎の季節も、もう終わりやな」と少し寂しそうに川を眺める時期でもあります。
夕暮れの根尾川は、夏のきらきらした表情から、どこかしっとりとした静けさをまとい、川面に映る空の色も少し深くなっていきます。
「今年もよう食べたな」
「来年もまた、ここで鮎を食べられますように」
そんな言葉と一緒に、最後の一尾を味わう——それが、地元の鮎好きにとっての「秋の儀式」のようなものかもしれません。
✨ これから鮎を味わう方へ:和亭からのメッセージ
最後に、これから初めて鮎を食べる方、久しぶりに鮎を味わってみたい方へ、和亭からお伝えしたいことをまとめます。
鮎は、一年しか生きない短い命の魚ですが、その一生はとてもドラマチックで、味わいも季節ごとに大きく変化します。
🔰 初心者の方でも大丈夫です
「鮎をきちんと食べたことがない」「小骨が気になりそうで不安」というお声をよくいただきますが、どうぞご安心ください。
和亭では、初めての方にも分かりやすく、食べ方やおすすめの楽しみ方をお伝えしています。
- 骨ごと食べやすい焼き方
- 小さめで食べやすい鮎のご用意
- お子さま向けの声かけやサポート
こうした工夫を通して、「鮎が苦手だったのに、ここでは完食しました」というお声をたくさんいただいてきました。
💭 思い出作りの一部としての鮎
鮎料理は、「お腹を満たす」ためだけのものではありません。
根尾川の水の音、炭火の香り、目の前で焼き上がっていく鮎の姿、そして一緒にテーブルを囲む人との会話——そのすべてを含めて、「鮎の思い出」だと考えています。
- 子どもの頃の夏休み
- 青春時代のデート
- 家族三世代での集まり
どの瞬間にも、鮎はそっと寄り添える存在です。
和亭は、そうした人生の一コマに、ほんの少しでも彩りを添えられたらうれしいと考えています。
🌿 根尾川の清流と共に、これからも
根尾川は、鮎が住めるほど水質の良い清流であり続けるために、地域の方々の努力や思いが込められています。
「鮎が上る川は、きれいな川の証拠」とよく言われますが、その清流を守り続けることが、未来の子どもたちにも鮎の思い出を残していくことにつながります。
和亭もまた、
- 川を汚さない営業
- 地元の漁業者さんとの連携
- 鮎文化を伝える情報発信
といった取り組みを通して、鮎と根尾川の未来に少しでも役立てるよう、これからも鮎一筋で歩んでいきます。

🍃**上長瀬やな 和亭(なごみてい)**🍃
岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。
📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ:0585-55-2630
🕒 営業時間: 11:00~ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応
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