炭火とガスでは「香り」「食感」「見た目」のすべてに、はっきりとした差が出ます。
その中でも、鮎のような繊細な川魚ほど、炭火の遠赤外線と香りの違いがダイレクトに仕上がりに表れると感じています。
🔥 炭火とガス、いちばんの違いは「遠赤外線」と「香り」
「炭火とガスって、そんなに違うんですか?」と、和亭でもよく聞かれます 😊
正直にお伝えすると、鮎のような繊細な魚ほど、火の違いがそのまま味の違いになります。
炭火には「遠赤外線(えんせきがいせん)」という、食材の中までじっくり熱を通す性質があります。一方、ガスは主に炎の「対流熱(たいりゅうねつ)」と「熱風」で加熱するので、表面の火通りは早くても、中への伝わり方が炭とは違います。
- 炭火:表面をカリッと仕上げつつ、中はふっくらジューシーになりやすい
- ガス:焼き加減を誤ると、表面が乾きやすく、中もパサつきがち
さらに炭火が燃えるときに生まれる「香り」もポイントです。炭の香ばしい煙が、鮎の皮や脂にほのかにまとわりつき、食欲をそそる香りを引き出してくれます。
ガスは無臭に近いため、素材本来の香りは楽しめますが、「炭火ならではの香ばしさ」という一層の奥行きは生まれません。
😊 魚屋歴30年から見た「炭火」と「ガス」の味の差
当店の店主は魚屋一筋30年、長年、産地や魚種ごとにさまざまな焼き方を試してきました。
その経験から、鮎については「ガスで丁寧に焼いても、炭火にしか出せない『もう一段上の香りと食感』がある」と感じています。
同じ鮎を炭火とガスで焼き比べたときの違い
試しに、同じ根尾川の鮎を、まったく同じ下処理・同じ塩加減で
- A:炭火
- B:ガス火
で焼き比べてみたことがあります。
常連さまやスタッフにも、目をつぶって食べ比べてもらったところ、こんな声が多く返ってきました。
- 「炭火のほうが、皮がカリッとしているのに、中がしっとりしている気がする」
- 「ガスのほうは、悪くはないけど、香りがすっと消えてしまう」
- 「炭火の鮎は、骨の近くの身まで甘い」
もちろん、ガス焼きが「おいしくない」というわけではありません。それでも、鮎のポテンシャルを最大限に引き出したいと考えると、どうしても炭火を選びたくなります。
お客様の声からもわかる「差」
営業中、お客様からこんなお声をいただくことがあります。
「ふだん家で魚を焼くと、皮が固くなってしまうのに、ここだと頭から尻尾まで本当に食べられる」
「香りが全然違う。炭火の香ばしさって、こういうことなんですね」
同じ鮎でも、火の入れ方ひとつで「骨までいける」「皮がおいしい」と感じていただけるかどうかが変わってきます。その差を生むのが、まさに炭火の遠赤外線と、じっくり育てる火加減なのです。
🐟 なぜ鮎には炭火が合うのか?「遠赤外線」のはたらきをやさしく解説
鮎は「清流の女王」と呼ばれるほど、香りと身の繊細さが特徴の魚です。
根尾川の鮎は、川底の石についた藻を食べて育つため、スイカやキュウリのような爽やかな香りをまとっていると言われます。
この繊細な香りとふっくら感を守るには、強すぎる火や、急激な温度変化は禁物です。そこで活躍するのが、炭火の「遠赤外線」です。
遠赤外線とは?
遠赤外線とは、炭が赤くなったときに出している「目に見えない熱の光」のようなものです。これには次のような特徴があります。
- 食材の表面だけでなく、中の水分や脂にじんわり届く
- 表面を焦がしにくく、中までふっくら火を通しやすい
- 皮はパリッ、中はしっとりという状態を作りやすい
鮎のように身が薄く、骨が細く、香りを楽しむ魚にとって、遠赤外線でゆっくり熱を入れることは大きなメリットになります。
ガスとの違いは「火の当たり方」
ガス火は、炎が直接あたり、熱風が回ることで食材を加熱します。そのため
- 表面が早く乾きやすい
- 距離が近すぎると、部分的に焦げやすい
という面が出やすく、鮎のような細身の魚には少し強すぎることもあります。
一方、炭火では、炭と鮎の距離を細かく調整しながら、じわじわ育てるように焼くことができます。
✨ 炭火が生み出す「外パリッ、中ふっくら」の世界
上長瀬やな 和亭では、「外パリッ、中ふっくら」「頭から尻尾までおいしく」を目指して、一尾一尾、炭火の前で向き合っています。
ここからは、炭火ならではの仕上がりの違いを、もう少し具体的にお伝えします。
1. 皮の仕上がりの違い
鮎の皮はとても薄く、火が入りすぎるとすぐに縮んで固くなってしまいます。炭火でじわじわ熱を入れていくと、皮の表面の水分がゆっくり抜け、ほどよくパリッとした食感になります。
- ガス:早く火が入るぶん、皮が「バリバリ」「バサッ」とした食感になりやすい
- 炭火:歯を立てると「パリッ」と小気味よく割れ、中から湯気と香りがふわっと立ちのぼる
この「ひと口目の皮の感触」が、炭火焼き鮎の大きな魅力です。
2. 身のジューシーさの違い
鮎の魅力は、脂のしつこさがなく、川の香りとともに感じる上品なジューシーさです。炭火は中の水分を閉じ込めながら火を入れてくれるので、身を箸で割った瞬間に、ふわっとほどけるような食感になります。
ガスでも丁寧に焼けばおいしく仕上がりますが、一瞬の火加減の違いで
- 中心が少しパサつく
- 骨のまわりが固くなる
という差が出てきます。炭火は、その「火加減のミス」を少しだけ許してくれる、懐の深い熱源でもあります。
3. 香りの立ち方の違い
鮎は「香魚」と書くように、香りを楽しむ魚です。
炭火焼きでは、炭の香ばしい香りと、鮎自身の爽やかな香りが一体となり、ひと口ごとに鼻に抜ける余韻が明らかに違います。
お客様からも
- 「ガスグリルの焼き魚と、同じ”鮎の塩焼き”とは思えない」
- 「香りの立ち方がまったく別物」
というお声を多くいただきます。
🏠🔥 家庭でガスでもおいしくするコツと、炭火が選ばれる理由
「家ではガスしかないのですが、少しでもおいしく焼く方法はありますか?」というご質問もよくいただきます。もちろん、家庭のガスグリルでも、工夫次第でかなりおいしく焼くことができます。
ガスでおいしくするコツ
- 強火で一気に焼き始めず、中火〜弱めの中火でじっくり焼く
- 皮側から焼き始め、途中で何度もひっくり返さない
- 焼きすぎないように、表面がきつね色になったら早めに火を止めて余熱で中まで火を通す
こうしたコツを押さえるだけでも、仕上がりはぐっと変わります。
それでも炭火にこだわる理由
それでも、和亭が炭火にこだわる理由はシンプルです。
- 根尾川の清流で育った鮎の魅力を「100%」ではなく「120%」引き出したいから
- 「ここでしか味わえない」と言っていただける一尾をお出ししたいから
- 頭から尻尾まで丸ごと食べ切ったときの満足感を、最高の状態で体験していただきたいから
ガスで焼いた鮎もおいしい。ただ、「わざわざ根尾川まで来てくださったお客様にお出しする一皿」としては、炭火以外の選択肢はどうしても選べません。
🪵 和亭がこだわる「炭」の選び方
実は、炭火焼きといっても、使う炭によって仕上がりは大きく変わります。
当店では、火持ちがよく、香りにクセのない国産の備長炭を中心に使用しています。備長炭は火力が安定していて、長時間じっくり焼き続けても温度が急激に下がりません。これが、鮎を「育てるように焼く」ために欠かせないポイントです。
安価な炭の中には、燃えるときに独特のにおいが出るものもあります。せっかくの鮎の繊細な香りが台無しになってしまうため、炭選びには妥協しません。
また、炭の置き方や量も、その日の気温・湿度・風の強さによって微調整しています。夏場の暑い日と、少し肌寒い日では、炭の燃え方も鮎への火の入り方も違うからです。
こうした細かな調整ができるのも、炭火ならではの楽しさであり、難しさでもあります。
👨🍳 一尾一尾に向き合う時間
和亭では、鮎を焼くときに「ながら作業」をしません。
炭火の前に立ち、鮎の様子を見ながら、串の角度を変えたり、火から遠ざけたり近づけたり。皮の焼き色、脂の滴り方、身の膨らみ具合を確認しながら、ベストなタイミングでお出しします。
正直なところ、ガスのほうが効率はいいかもしれません。でも、「この一尾をいちばんおいしい状態で届けたい」という気持ちがあるからこそ、手間のかかる炭火を選び続けています。
お客様が「おいしい!」と笑顔になってくださる瞬間が、私たちにとって何よりのご褒美です 😊
🎣 まとめ:炭火とガス、味の差は「はっきりわかるレベル」です
炭火とガスの味の差を、改めて整理すると
- 香り:炭火は香ばしさと鮎本来の香りが重なり、余韻が長い
- 食感:炭火は「外パリッ、中ふっくら」、ガスは少し乾きやすい
- 見た目:炭火は焼き色が均一でつやが出やすい
という違いがあります。
鮎のように香りと身の繊細さが命の魚では、その差は「なんとなく」ではなく、はっきりと感じていただけるレベルです。
根尾川の自然に囲まれた「やな」で、炭火の前に立ち続けてきた立場からお伝えすると、炭火とガスの差は「小さな違い」ではなく、「同じ鮎でも別物と言えるくらい」の差があります。
もし「鮎ってこんなにおいしいんだ」と感じてみたい方は、ぜひ炭火焼きの一尾を、頭から尻尾まで丸ごと体験してみてください 🐟✨

🍃**上長瀬やな 和亭(なごみてい)**🍃
岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。
📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ:0585-55-2630
🕒 営業時間: 11:00~ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応
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