🐟 命を懸けた旅路 ── 鮎の遡上と季節ごとの行動パターン、一年しか生きない清流の女王の物語

皆さん、こんにちは。岐阜県揖斐川町の清流・根尾川で「上長瀬やな 和亭(なごみてい)」を営んでおります。

突然ですが、「鮎って実は一年しか生きない」って、ご存知でしたか?😲

この儚くも美しい命のサイクルが、鮎の味わい深さの秘密なんです。今日は私たち魚屋一筋30年のプロの目線から、鮎の季節ごとの行動パターンと、それが生み出す味の変化についてお話しさせていただきますね。

🌸 春の目覚め ── 遡上という命がけの旅の始まり

稚鮎たちの大冒険

春、水温が少しずつ上がり始める頃。根尾川には小さな命たちが帰ってきます。

秋に川で生まれた鮎の卵は、海へと流され、冬の間に孵化します。そして春になると、体長わずか数センチの稚鮎となって、生まれ育った川を目指して遡上を始めるんです。

この遡上という行動、実は鮎にとって命がけの旅なんですよ。

私たちが30年間この根尾川で鮎を見続けてきて感じるのは、「鮎が上る川は綺麗な証拠」ということ。水質が少しでも悪化していたり、川の流れが変わってしまったりすると、稚鮎たちは遡上できません。

根尾川は、山々に囲まれた地形と豊かな水源に恵まれているからこそ、毎年こうして鮎たちが帰ってきてくれるんです。🏔️

清流だけが育てる「香魚」の秘密

遡上してきた稚鮎たちは、川底の石に付着している藻類を食べ始めます。

この藻類、特に珪藻と呼ばれる良質な藻が、鮎を「香魚」へと変えていくんです。清流でしか育たない藻を食べるからこそ、鮎はあの独特のスイカやキュウリに似た爽やかな香りを身にまとうようになります。

お客様からよく「鮎ってどうしてこんなにいい香りがするんですか?」と聞かれるんですが、答えは「清流の藻を食べているから」なんですね。

春の遡上がなければ、その後の成長も、あの香りも生まれません。だからこそ、私たちは根尾川の環境を大切に守り続けているんです。🌿

☀️ 夏の輝き ── 縄張り争いが生む最高の味わい

活発な摂食と急成長の季節

春に遡上した鮎たちは、水温の上昇とともに驚くほど活発になります。

この時期の鮎の行動で最も特徴的なのが「縄張り」を作ることです。鮎は自分の陣地を決めて、その範囲の石についた藻を独占的に食べるんですよ。

他の鮎が近づいてくると、体当たりをして追い払う様子は、まさに「清流の女王」と呼ばれるにふさわしい気高さです。👑

この激しい縄張り争いと、活発な摂食活動こそが、夏の鮎を最高に美味しくしている秘密なんです。

私たちが「今が旬ですよ」とお客様にお伝えするのは、魚屋30年の経験から、鮎の姿、色艶、そして香りを見て、「今この子たちは最高に元気に泳いでいるな」と分かるからなんです。

夏土用は鮎の季節!

「夏の土用といえばウナギ」というイメージが強いかもしれませんが、実は岐阜の揖斐川町では「土用といえば鮎」なんですよ!😊

この時期の鮎は、身がしっかりと締まり、香りも最高潮。炭火でじっくり焼き上げると、パリッとした皮目と、ふっくらジューシーな身の対比が絶妙なんです。

お客様からは「鮎が苦手だったのに、ここでは完食しちゃいました!」というお言葉をよくいただきます。それは、私たちが鮎の最高のタイミング、つまり行動が最も活発で味が最高になる時期だけを厳選して提供しているからなんですね。

オスとメスの味の違い

実は、夏の盛りを過ぎる頃から、鮎のオスとメスで味に違いが出始めるんです。

オスは縄張り意識が強く、より活発に動き回るので身が引き締まっています。一方メスは、秋の産卵に向けて少しずつ脂を蓄え始めます。

私たちプロの目利きは、この微妙な違いを見分けて、それぞれに最適な調理法でご提供しているんですよ。🔍

🍂 秋の旅立ち ── 伝統漁法「やな」が活躍する季節

降下という最後の使命

夏の盛期を過ぎると、鮎たちの行動パターンが大きく変わります。

今度は川を「下る」という行動に移るんです。これを「降下」と呼びます。

産卵のために、生まれた場所へ向かって川を下っていく鮎たち。この降下の習性を利用するのが、私たち和亭が誇る伝統漁法「やな」なんです。

「やな」というのは、川の流れと鮎の行動パターンを知り尽くした先人の知恵が詰まった、竹だけでできる天然の魚取り機なんですよ。🎋

「やな」の仕組みと専門技術

やなは、川の中に竹を格子状に組んで設置します。

川を下ってくる鮎は、この竹の隙間に引っかかるようになっているんです。シンプルな仕組みですが、川の流れの速さ、水深、鮎の降下量を計算して設置する必要があり、実は高度な専門技術が必要なんですね。

私たちが何十年もこの仕事を続けてきたからこそ、根尾川の流れの癖、鮎の降下ルート、その年の降下量の予測ができるんです。

秋口は「落ち鮎」と呼ばれる、産卵前の鮎が最も脂が乗って美味しい時期。この落ち鮎を獲る技術と、それを甘露煮や炭火焼で最高に美味しく調理する技術、これが和亭の真骨頂なんです。💪

子持ち鮎の格別な味わい

秋の鮎は、夏とはまったく違う魅力があります。

メスは卵を抱え、「子持ち鮎」として珍重されます。この卵のプチプチとした食感と、成熟した身の濃厚な味わいは、夏の爽やかな鮎とは別の美味しさなんですよ。

甘露煮にすると、骨まで柔らかくなって、頭から尻尾まで丸ごと食べられます。一年の命を懸けて成長した鮎の、すべてをいただく。これこそ、私たちが大切にしている「命への感謝」の形なんです。🙏

🎣 体験で感じる鮎の生命力 ── 自然との一体感

やな体験と川遊びの魅力

私たち和亭では、ただ鮎料理を提供するだけでなく、「体験」を大切にしています。

夏の清流で川遊びをしながら、実際に鮎が泳いでいる様子を間近で見ていただく。これは都会では絶対に味わえない贅沢な時間です。🏞️

お子様たちが川に入って「魚が泳いでる!」って目を輝かせる姿を見ると、私たちも本当に嬉しくなります。

鮎が元気に泳げる清流があるということは、この地域の自然環境が健全な証拠。お客様には、この自然の豊かさを五感で感じていただきたいんです。

炭火焼き体験で学ぶ命のサイクル

和亭での炭火焼き体験も、とても人気があるんですよ。

お客様ご自身で鮎を炭火で焼いていただくんですが、これが単なる「焼き魚体験」じゃないんです。

炭火の遠赤外線でじっくり焼かれる鮎の香り、パチパチという音、そして焼き上がった時の美しい姿。これらすべてが、鮎の一年間の生命力を感じさせてくれます。

「この鮎は、春に遡上してきて、夏の間必死に縄張りを守って、こんなに立派に育ったんだな」って、お客様が感慨深げに語られる瞬間、私たちは「この仕事をやっててよかった」って心から思うんです。😊

🍽️ 味で感じる行動パターンの変化 ── 塩焼き・甘露煮・雑炊

季節で変わる最適な調理法

鮎の行動パターンによる成長段階の違いは、そのまま料理の味の違いになります。

夏の活発な時期の鮎は、塩焼きが最高です。シンプルに塩だけで焼くことで、あの独特の香りと身の締まりを最大限に楽しめます。

一方、秋の落ち鮎は、甘露煮がおすすめ。じっくり煮込むことで、骨まで柔らかくなり、脂の乗った身と卵の組み合わせが絶妙なんです。

この使い分けができるのも、私たちが鮎の季節ごとの状態を知り尽くしているからなんですね。🍳

頭から尻尾まで、命をいただく

鮎料理の最後に出てくる「鮎雑炊」、実はこれにも深い意味があるんですよ。

鮎を焼いた時に出る旨味成分が炭火に落ちて、それが香ばしい煙となって鮎に戻る。その旨味たっぷりの出汁でお米を炊くのが鮎雑炊です。

しかも、この雑炊は胃にとても優しいんです。鮎のタンパク質が出汁に溶け出していて、消化に良い状態になっているんですね。

「鮎を頭から尻尾まで、骨も内臓も、そして出汁まで余すことなくいただく」という和食の精神。一年しか生きない鮎の命を、すべて大切にいただくという姿勢が、この一杯に込められているんです。🍚

🌟 一年の命を尊重する私たちの営業スタイル

旬にこだわる理由

和亭は、一年中営業しているわけではありません。

鮎の行動が最も活発になり、味が最高になる時期だけ、営業しています。2025年度の営業は終了いたしましたが、2026年度の営業は7月1日からを予定しております。

「もっと長く営業すればいいのに」と言われることもあります。でも、私たちは鮎の命のサイクルを何よりも大切にしたいんです。

最高の状態の鮎だけをお客様に提供する。それが、魚屋一筋30年の私たちの誇りであり、使命なんです。✨

お客様からの信頼が私たちの宝

「鮎が苦手だったのに、ここでは完食しちゃいました!」

この言葉を聞くたびに、私たちは胸が熱くなります。

それは、私たちが鮎の生態を知り尽くし、最高の旬の時期の鮎だけを、最適な調理法で提供しているという、お客様からの信頼の証だからです。

根尾川の清流、鮎の短い命、そして私たちの技術。この三つが重なり合って、初めて「本当に美味しい鮎」が生まれるんです。

🎭 まとめ ── 鮎の行動パターンは「命の味わい」そのもの

鮎の一年は、まるでアスリートのトレーニングサイクルのようです。

春の遡上は厳しい体力づくりの始まり。夏は最もエネルギーを使い、筋肉が引き締まるピーク期。そして秋の降下は、次世代へ命を繋ぐための準備期間。

私たち和亭のプロの目利きは、このアスリート(鮎)の最高のパフォーマンス期を逃さず、最も美味しい瞬間に獲り、調理する専門家なんです。🏆

鮎の季節ごとの行動パターンを知ることは、私たちが食べているのが「清流を懸命に生き抜いた、一期一会の命の味わい」であることを教えてくれます。

一年しか生きない儚い命だからこそ、その味わいは格別なんです。

来年2026年7月1日からの営業開始を、私たちも心待ちにしております。根尾川に鮎たちが帰ってくる季節、ぜひ和亭で、命の輝きを感じてください。

皆様のお越しを、清流根尾川の畔でお待ちしております。😊🐟

 



🍃**上長瀬やな 和亭(なごみてい)**🍃

2025年度の営業は終了いたしました
今年もたくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。
2026年度の営業は7月1日からとなります。来年もまたよろしくお願い致します😄


岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。

📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ:0585-55-2630
🕒 営業時間: 11:00~ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応

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