鮎料理に欠かせない塩の専門知識|味を決定づける調味料の選び方と振り方【上長瀬やな 和亭公式ブログ】


こんにちは😊!岐阜県揖斐川町、根尾川のほとり「上長瀬やな 和亭(なごみてい)」です。

毎シーズン多くのお客様にご来店いただき、誠にありがとうございます。2025年度の営業も無事に終了いたしました。来年2026年度は7月1日からの営業開始となりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

さて、今回は鮎料理の要(かなめ)である”塩”に焦点を当てた専門情報をたっぷりお届けします🐟✨

なぜ「塩」が鮎料理でこれほど大切なのか?なぜ振り方や使い方ひとつで味が変わるのか?

当店で30年にわたり鮮魚を扱ってきた経験、現場で培った知識、そしてお客様とのエピソードも交えながら、鮎料理初心者の方にも分かりやすく紐解いていきます!


塩が鮎料理の味を決める理由🧂

鮎は「清流の女王」と呼ばれ、シンプルな調理法こそがその良さを最大限に引き立てます。

中でも「塩焼き」に使う塩は、最も重要な調味料といっても過言ではありません。なぜなら、鮎そのものが持つ繊細な香り・甘味・ほろ苦さは、塩の力によってまとまり、最高の状態で引き出されるからです。

なぜ「塩焼き」は定番なのか

鮎はクセの少ない白身魚で、脂も控えめです。その分、雑味や臭みの有無が味の決め手となります。脂が少ない魚だからこそ、水分調整や旨みの凝縮には塩の力が不可欠なのです。

塩には「身を引き締める」「余分な水分を抜く」「香りを立てる」といった、物理的・化学的に大きな効果があります。

実際に根尾川で朝獲れた鮎を炭火で焼く時、最初に塩を振っておかないと、身がふやけて張りがなくなってしまいます。「塩の力」で鮎本来の美味しさを最大限に生かしているのです。

当店では毎朝、根尾川で獲れた新鮮な鮎を仕入れています。鮮度が良い鮎ほど、塩の効果がはっきりと表れるんです。身がキュッと引き締まり、皮がパリッと焼き上がる。この感覚は、何年経験しても感動します。

現場でよくあるご質問

「なぜ塩焼きには普通の食卓塩じゃなくて粗塩を使うのですか?」とよく聞かれます。

実はこれ、鮎料理を美味しく仕上げるための重要なポイントなんです。食卓塩と粗塩では、粒の大きさも味わいも全く違います。その理由について、次章で詳しく解説しますね。

また、「塩を振るタイミングはいつがベストですか?」というご質問もよくいただきます。これも実は奥が深くて、鮎の大きさや鮮度、調理方法によって変わってくるんです。


塩の選び方|食卓塩・粗塩・自然塩の違いを知ろう

一口に「塩」と言っても、実は大きく3種類に分かれます。それぞれに特徴があり、用途も異なるんです。

食卓塩とは、精製された塩化ナトリウムのことです。粒が細かく、味がシャープで塩辛さがストレートに感じられます。一般家庭で最もよく使われている塩ですね。

粗塩は、天日干しまたは釜焚きなどで作られます。ミネラル分を多く含み、粒子がやや粗いのが特徴です。「粗塩」という名前は、この粒の粗さから来ています。

自然塩は、海水や岩塩をそのまま自然乾燥させたもので、豊富なミネラルと旨みが含まれています。最も自然な製法で作られた塩です。

当店で鮎料理におすすめしているのは、圧倒的に「粗塩」「自然塩」です。当店でも、産地にこだわった国産の天日塩やミネラル豊富な海塩を使用しています。

なぜ粗塩・自然塩が合うのか

粗塩や自然塩が鮎料理に合う理由は、主に3つあります。

まず、粒が大きめで、焼くとカリッと仕上がること。この食感が鮎の皮のパリパリ感を引き立てるんです。

次に、塩気がやわらかく、鮎の甘さを消さないこと。食卓塩のような尖った塩辛さではなく、まろやかな塩味が鮎の繊細な味わいを包み込みます。

そして、含まれるミネラル(マグネシウムやカリウム)が旨みやコクを出すこと。これが鮎の持つ自然な甘みや香りと調和して、深い味わいを生み出します。

当店での実験エピソード

以前、スタッフで実験的に食卓塩で焼いてみたことがありました。すると、「塩分だけが強すぎて味に角が立つ」印象だったんです。鮎の繊細な甘みが消えてしまい、ただ塩辛いだけの焼き魚になってしまいました。

その後、お客様にも食べ比べをしてもらったところ、8割以上の方が粗塩・自然塩の方が「鮎らしさを味わえる」と答えてくださいました😊

この経験から、当店では必ず粗塩や自然塩を使用するようになったんです。特に、瀬戸内海産の天日塩は、ミネラルバランスが良く、鮎との相性が抜群です。


塩の振り方ひとつで変わる、プロの技!🍶

次はお待ちかね、実践編です。実は鮎の塩焼きでは、振り方にもコツがたくさんあります。

30年の経験の中で培ってきた技術を、できるだけ分かりやすくお伝えしますね。

基本の振り方

まず、鮎全体にまんべんなく振ることが大切です。特に皮の表面にしっかりと塩を乗せます。

粒状の塩が均一に乗るよう、「高い位置」から振るのがポイント。高い位置から振ることで、塩が空中で広がり、均等に降りかかるんです。これは和食の板前さんが使う基本技術ですね。

そして、内臓部分・頭・ヒレは他より多めに塩をします。これを「化粧塩(けしょうじお)」と呼びます。化粧塩については後ほど詳しく説明しますね。

プロならではのコツ

串打ちした鮎を立てかけることで、塩が自然に下まで落ちていきます。塩が薄いところは味がボケてしまうため、全体に満遍なく振ることが重要です。

当店のスタッフ同士では、こんな会話が日常的に交わされています。

「背ビレの横は忘れやすいから念入りにね」 「うろこのところは軽く2回振っておくと焼き上がりがきれいだよ」

こうした細かい気配りの積み重ねが、美味しい鮎の塩焼きを作るんです。

化粧塩とは?

化粧塩とは、ヒレや頭など焦げやすい部分に多めに塩を乗せるテクニックです。「飾り塩」とも呼ばれます。

これには2つの目的があります。1つは、焦げを防ぐこと。もう1つは、ヒレや尾の形を美しく保ち、見た目を美しく仕上げることです。

鮎の塩焼きは、味だけでなく見た目も重要です。ヒレがピンと張った美しい姿は、お客様の食欲をそそります。

化粧塩の失敗エピソード

実は昔、地域の鮎の塩焼きコンクールに出場したことがありました。そこで「化粧塩が薄い」と減点されたことがあるんです。

それまで味だけに集中していた私たちにとって、見た目の美しさも評価の対象になることを痛感しました。見た目も味の一部なんですね。

今ではスタッフ全員が目を光らせて、焼き上がりの美しさにもこだわっています。お客様から「写真を撮りたい!」と言われることも増えました📸


焼く直前に塩?下ごしらえ段階で塩?タイミングの秘密

塩を振るタイミングも、実は大切なポイントです。これを間違えると、せっかくの鮎が台無しになってしまうこともあります。

基本は「焼く直前」です。これが最もシンプルで、失敗が少ない方法です。

ただし、場合によっては焼く数十分前に軽く振って下ごしらえをすることもあります。これは鮎の状態や調理の都合によって判断します。

注意が必要なのは、塩を早く振りすぎると鮎の水分が抜けすぎて硬くなってしまうことです。これを「塩締まり」と言います。

鮮度によって変わるタイミング

鮎が新鮮な時は、焼く直前に塩を振ります。新鮮な鮎は身がしっかりしているので、塩を振ってすぐ焼いても問題ありません。

一方、仕入れからやや時間が経っている場合は、下処理の段階で軽く塩をふって臭み抜きをします。塩には臭みを取る効果もあるんです。

また、味にムラを出したくない場合は、2回に分けて振るのも裏技です。下処理で軽く振り、焼く直前に仕上げの塩を振る。この二段階方式で、味が均一に仕上がります。

スタッフの判断会話

厨房では、こんな会話が日常的に交わされます。

「今日は大きめの鮎だから、少し早めに塩しておこう」 「小ぶりな鮎は直前でOK!」 「この鮎、すごく新鮮だから塩は焼く直前で十分だね」

鮎のサイズや鮮度を見極めて、最適なタイミングを判断する。これが30年の経験で培われたプロの技です。


焼きの科学|遠赤外線と塩の”魔法”🔥

鮎を美味しく焼くには、炭火(または遠赤外線グリル)との相性が抜群です。実はここにも、塩の”科学的”な役割が隠れているんです。

当店では備長炭を使った炭火焼きにこだわっています。炭火から出る遠赤外線が、鮎を内側からじっくりと焼き上げるんです。

炭火と塩のコラボレーション

炭火が表面を一気に焼くことで、塩がパリッと結晶化します。この結晶化した塩が、鮎の皮をカリカリに仕上げる秘訣なんです。

同時に、遠赤外線が内部にじっくり火を通し、水分や旨味を閉じ込めてくれます。外はカリッ、中はふっくら。この理想的な焼き加減を実現できるのは、炭火と塩の相乗効果があるからです。

表面の塩が「香ばしい衣」の役割を果たし、鮎の旨みを逃がしません。塩の粒が焼けることで、独特の香ばしさも加わります。

お客様体験コースでの驚き

和亭では、お客様がご自分で焼きを体験できるコースも提供しています。これが大好評なんです🙌

「自分で振った塩なのに、焼いたら美味しさが全然違う」と驚かれる方も多くいらっしゃいます。炭火の熱で塩が変化していく様子を目の前で見ることができるので、塩の役割を実感していただけるんですね。

特に、塩が焼けて結晶化していく瞬間は、見ていても美しいです。キラキラと輝く塩の結晶が、鮎の表面を覆っていく。その光景は、まさに「魔法」のようだと、多くのお客様が感動されます。


塩加減は好みで調整!お子様やご高齢の方には…

万人向けの「標準的な塩加減」はもちろんありますが、当店ではお客様一人ひとりに合わせた調整も行っています。

お子様や塩分を控えたい方、ご高齢の方には、少し薄めに調整しています。健康志向が高まる中、減塩のご要望も増えてきました。

当店では、お客様のご年齢やご要望を必ず事前にヒアリングするようにしています。アレルギーや減塩のご希望など、臨機応変に対応させていただきます。

素材の香りを強調したい場合は、かなり薄塩でも十分に美味しく仕上がります。新鮮な鮎ほど、薄塩でも十分な旨みが感じられるんです。

お子様への配慮エピソード

実際に、「小さなお子様がいるのですが、塩を控えてもらえますか?」というご要望にお応えしたことが何度もあります。

あるご家族のケースでは、塩を通常の半分程度に減らして焼いたところ、「子どもが頭まで完食しました!」とご好評をいただきました😊

お子様は大人より塩分に敏感なので、薄めの塩加減の方が食べやすいようです。鮎本来の甘みを感じやすくなるという利点もあります。

また、ご高齢の方からは「塩分を控えているけど、鮎は食べたい」というご要望もよくいただきます。そんな時は、化粧塩だけしっかり振って見た目を保ちつつ、身の部分は薄塩にするなど、工夫をしています。


塩以外にも使える!?鮎の旨みを引き立てる変わり種

塩焼きだけが鮎料理ではありません。当店では様々な鮎料理を提供していますが、そこでも塩が重要な役割を果たしています。

プロならではの”裏ワザ”もこっそりご紹介しますね!

甘露煮での塩使い

「甘露煮」は甘辛く煮込んだ鮎料理ですが、実は最後の仕上げにごく少量の粗塩を加えると、風味が格段にアップするんです。

甘みを引き立てるために塩を使う。これは和食の基本テクニックの一つです。塩のおかげで甘みがより際立ち、深みのある味わいになります。

鮎雑炊での使い方

「鮎雑炊」は、鮎の出汁を使った贅沢な雑炊です。仕上げ前に塩を溶かし入れることで、出汁の風味が一層引き立ちます。

ここでのポイントは「仕上げ前」に入れること。早く入れすぎると塩の角が立ち、遅すぎると溶けきらない。絶妙なタイミングが必要です。

骨酒の秘密

「骨酒」は、塩焼きにした鮎を熱燗に入れた贅沢な一品です。塩焼きにした鮎を使うことで、香りがさらに立つんです。

塩で焼いた鮎の香ばしさと、日本酒の芳醇な香りが融合して、他では味わえない風味が生まれます。

こうした一見小さな工夫が、実は全体の味に大きな差を生むのです。30年の経験の中で、様々な試行錯誤を重ねてきました。


よくあるご質問|塩の保存法・賞味期限は?

お客様からよくいただくご質問にお答えします。

Q. 塩の保存期限はどのくらいですか?

A. 塩自体には基本的に賞味期限がありません。塩は腐らない調味料なんです。

ただし、湿気や匂い移りを防ぐには、適切な保存が必要です。蓋付きの容器で密閉し、高温多湿を避け、台所のコンロ近くには置かないようにしましょう。

こうした管理を徹底すると、長期間美味しい塩の状態をキープできます。当店でも、塩は専用の密閉容器で保管しています。

Q. 粗塩は固まりやすいですか?

A. はい、天然塩や海塩は湿度の影響を受けやすく、固まりやすい性質があります。

これは、ミネラル分が多いことの裏返しでもあります。固まってしまった時は、フォークなどで軽く砕けばすぐに使えます。

また、容器に乾燥剤を入れておくと、固まりにくくなります。お米を数粒入れておくのも、昔ながらの知恵です。


ご家庭で再現できる!プロ直伝:鮎の塩焼きの作り方

当店の味をご家庭でも楽しんでいただけるよう、鮎の塩焼きの作り方を詳しくご紹介します。

材料

  • 鮎(1人1尾が目安)
  • 粗塩または自然塩(鮎1尾につき小さじ1程度)
  • 串(竹串が理想的)
  • 七輪やグリル

手順

  1. 鮎は水で優しく洗い、水気をよく拭き取ります。キッチンペーパーで丁寧に拭くのがコツです。
  2. 串を打ちます。鮎が泳いでいるような形になるよう、S字に串を刺します。
  3. 全体にまんべんなく、高い位置から塩を振ります。ヒレや頭は多めに塩をしてください。
  4. 炭火またはグリルで、身が膨らみ、焦げ目が付くまでじっくり焼きます。
  5. 熱いうちに食卓へ!焼きたてが一番美味しいです。

重要なポイント

絶対に「焦らない」こと!これが最も大切です。

身が割れないよう、弱火から中火でじっくり焼くのが基本です。強火で一気に焼くと、表面だけ焦げて中が生焼けになってしまいます。

時間の目安は、片面7〜8分ずつ。合計で15分前後です。鮎の大きさによって調整してください。


お客様エピソード・塩焼きの感動体験

先日、あるご家族連れのお客様から、心温まるお言葉をいただきました。

「鮎の塩焼きが人生で初めて美味しいと思えました!」

実はこの日、お子様がどうしても魚に苦手意識があったそうなんです。でも、試しに「頭から食べてみよう」とスタッフが勧めたところ、なんと「今までの魚とまったく違う!」とパクパク完食されたんです。

お母様のお話では、「塩がきつくなく、皮もパリパリで食べやすかった」とのこと。

スタッフ一同、本当に嬉しい瞬間でした😄

もう一つの感動エピソード

別の日には、ご高齢のご夫婦がいらっしゃいました。ご主人が「若い頃に食べた鮎の味をもう一度味わいたい」とおっしゃったんです。

昔ながらの塩焼きを再現し、お出ししたところ、「これだ、この味だ!」と目を潤ませて喜んでくださいました。

塩の振り方一つで、思い出の味を蘇らせることができる。料理人冥利に尽きる瞬間です。


まとめ|鮎料理と塩の”絶妙な関係”を和亭で体験してください

鮎料理の味を決める最大のポイント「塩」。

産地選び、種類の選定、振り方、タイミング…そのどれもに、当店30年の経験と知識が詰まっています。

根尾川の清流で育まれた極上の鮎と、選び抜いた塩による塩焼きは、和亭だけの特別な体験です。シンプルだからこそ、素材の良さと技術の差が如実に表れます。

2026年度は7月1日から営業開始となります。来シーズンも、皆様のご来店を心よりお待ちしております!

根尾川のせせらぎを聞きながら、極上の鮎料理をお楽しみください。スタッフ一同、心を込めておもてなしさせていただきます🐟✨

 


 


🍃**上長瀬やな 和亭(なごみてい)**🍃

2025年度の営業は終了いたしました
今年もたくさんの方にお越しいただき、誠にありがとうございました。
2026年度の営業は7月1日からとなります。来年もまたよろしくお願い致します😄


岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。

📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ:0585-55-2630
🕒 営業時間: 11:00~ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応

📲 公式LINE・Instagramで最新情報&お得なクーポン配信中!
👉 LINE:https://line.me/R/ti/p/@792nmhws
👉 Instagram:https://www.instagram.com/nagomitei.yana

 

 

 

About the Author

You may also like these