はじめに：2025年度営業終了のご挨拶と、来季への想い🎣🙏
皆様、今年も上長瀬やな和亭へお越しいただき、本当にありがとうございました！
2025年度の営業を無事に終えることができましたこと、そして今年もたくさんのお客様との温かいご縁に恵まれましたこと、スタッフ一同心より感謝申し上げます。毎年お越しいただく常連のお客様、初めて足を運んでくださった新しいお客様、皆様お一人おひとりとの出会いが、私たちにとってかけがえのない宝物です😊
来年度は2026年7月1日から営業を再開する予定です。また根尾川の清流と、極上の鮎料理で皆様をお迎えできる日を、今から心待ちにしております。
さて今回のブログでは、私たち和亭スタッフの目線から、岐阜県が誇る「鮎文化」について深く掘り下げてお話ししたいと思います。鮎という魚の魅力、伝統的な「やな漁」の歴史、そして私たちが大切にしている地域とのつながり——。川魚料理の奥深さを、ぜひ最後までお楽しみください！
鮎ってどんな魚？清流の女王が持つ独特の魅力🧑🔬🐟
鮎は「一年魚」と呼ばれる、とても儚くて美しい魚です。春に川で卵から孵化し、夏にかけてぐんぐんと成長。そして秋には産卵のために川を下り、その短い一生を終えます。まさに一年という限られた時間を、全力で駆け抜ける魚なのです。
この「一年魚」という言葉は、基本的に一年で一生を終える魚のこと。鮎は春に生まれて秋の産卵後にほとんどが命を終えるため、この呼び名がついています。だからこそ、鮎を食べるということは、その短くも濃密な命をいただくということ。私たちは常にそのことを心に留めながら、一尾一尾を大切に調理しています。
そして鮎にはもう一つ、「香魚（こうぎょ）」という美しい別名があります。これは鮎が持つ独特の香りに由来する名前です。釣りたて、焼きたての鮎からは、スイカやキュウリにも似た爽やかで青い香りが漂います。この香りこそが、鮎が川魚の女王と呼ばれる理由の一つなのです。
和亭でも、お客様からよく「本当にいい香りがしますね！」というお声をいただきます。特に炭火で焼いているときの店内は、鮎の香りに包まれて幸せな空気に満たされます。厨房で働く私たちも、毎日その香りに癒されているんですよ。
鮎が「清流でしか育たない」と言われるのには、ちゃんとした理由があります。鮎は水質にとても敏感な魚で、本当にきれいな水の中でしか生きていけません。だからこそ、美味しい鮎が採れる河川は全国的にも限られているのです。
ここ根尾川の水は、まさに鮎が求める理想的な環境。透き通った清流は鮎にとって”命の源”であり、私たち和亭にとっても何よりの宝物です。この美しい川があるからこそ、極上の鮎料理を皆様にお届けできるのです。
“やな”文化とは？根尾川に息づく伝統の漁法🏞️✨
「やな」という言葉を初めて聞く方も多いかもしれませんね。”やな”とは、竹や木を使って川の流れを利用する、日本古来の伝統的な漁法のことです。
川の流れに沿って設置された簀（すのこ）状の装置は、いわば”天然の魚とり機”。鮎が川を下っていくとき、自然とこのやなに導かれるように吸い寄せられ、捕獲される仕組みになっています。まさに自然の力を巧みに利用した、先人の知恵の結晶なのです。
「やな」が設置できる条件は、実はとても厳しいものです。まず第一に、水が透き通るほどきれいであること。そして第二に、川の流れが適度に速いこと。この二つの条件が揃わなければ、やなは機能しません。
根尾川は、まさにこの二つの条件を完璧に満たす川です。清らかな水と適度な流れが、やな漁を支えています。鮎漁の最盛期になると、川岸には親子連れやグループのお客様の笑い声が響き渡り、子どもも大人も夢中になって鮎の群れを見守る光景が広がります。
先日、初めて当店にいらした親子連れのお客様がこんなことをおっしゃっていました。「目の前でやな漁を見るのは初めてでした。昔の人たちがどうやって自然と向き合い、工夫してきたのかがよく分かって、本当に感動しました」と。
私たちスタッフも、この伝統を守り続けることに大きな誇りを感じています。ご来店いただいた皆様には、できるだけ分かりやすく漁の仕組みや鮎の生態についてお伝えするよう心がけています。単に美味しい鮎料理を提供するだけでなく、この地域の文化や歴史も一緒に味わっていただきたいのです。
やな漁は、ただの漁法ではありません。それは自然と人間が共生するための知恵であり、何百年も受け継がれてきた地域の誇りなのです。
和亭自慢の鮎料理と職人の技👨🍳🔥
当店の鮎料理は、バリエーション豊かなメニューで皆様をお迎えしています。定番の「鮎の塩焼き」をはじめ、「鮎の甘露煮」「鮎雑炊」「鮎の骨酒」など、鮎の魅力を余すことなく堪能していただける品々をご用意しております。
中でも当店の看板メニューは、何と言っても「炭火焼鮎コース」です！遠赤外線の炭火でじっくりと焼き上げた鮎は、皮はパリッと香ばしく、身はふっくらとやわらか。川魚ならではの上品な旨味が、口いっぱいに広がります。
ここで、プロの目利きポイントをこっそりお教えしましょう。まず鮮度の見極め方ですが、お腹がキラキラと光っていて、ひれがピンと張っているものほど新鮮です。和亭では毎朝、この基準で厳選した鮎だけを使用しています。
そして焼き加減——これが実は最も難しく、最も重要なポイントなのです。「串打ち三年、焼き一生」という言葉があるほど、鮎を美しく焼き上げるには長年の経験と技術が必要です。串の打ち方一つで鮎の仕上がりが変わり、火加減の調整で味わいが大きく左右されます。
化粧塩といって、鮎の旨味を引き出しながら美しく仕上げるために、職人が絶妙な塩加減でまぶしていきます。この塩加減も、経験がなければ決して真似できない技術です。
以前、こんなエピソードがありました。ベテラン職人の一人が、焼いているときの「パチパチ」という音だけで絶妙な焼き加減を判断し、完璧なタイミングで火から上げたことがあります。そのときのお客様が「今まで食べた鮎の中で、間違いなく一番美味しい！」と感動してくださいました。
五感を研ぎ澄まして、一尾一尾に向き合う——これこそが和亭の職人技であり、私たちが何より大切にしている姿勢なのです。
また、鮎料理の魅力は焼き物だけではありません。鮎の甘露煮は、じっくりと時間をかけて炊き上げることで、骨まで柔らかく仕上がります。小さなお子様からご年配の方まで、安心して召し上がっていただけます。
鮎の骨酒も人気メニューの一つです。カリッと焼いた鮎を熱燗に入れると、鮎の香りと日本酒の風味が絶妙に調和し、何とも言えない美味しさが生まれます。お酒好きのお客様には特に喜んでいただいています。
鮎とともに歩む地域社会——世代を超えた絆🤝🌿
鮎文化が深く根付く岐阜県揖斐川町では、鮎漁のシーズンになると地域全体が活気に満ち溢れます。やなを訪れる観光客の皆様だけでなく、地元の小学校の社会科見学、地域の高齢者会の集まりなど、世代を超えてやなと鮎料理が地域の生活に溶け込んでいます。
当店では、地元農家さんから仕入れた旬の野菜や地場産のお米を、鮎料理とセットでご提供しています。鮎だけでなく、四季折々の地元の恵みも一緒に味わっていただくことで、より豊かな食体験をお届けできると考えています。
地元の農家さんとは長年のお付き合いがあり、「今年のトマトは特に美味しいよ」「この時期の茄子が最高だから使ってみて」といった会話が日常的に交わされます。こうした顔の見える関係性が、料理の質を高めているのです。
やな漁のシーズンが最盛期を迎える頃には、町中で鮎祭りも開催されます。私たちスタッフも地域の一員として、山車引きや屋台のお手伝いに参加しています。また商工会主催の新メニューコンテストにエントリーしたり、地域の食文化を盛り上げる活動にも積極的に関わっています。
ある年の鮎祭りでは、地元の小学生たちが「将来はやなで働きたい」と言ってくれたことがありました。次世代に鮎文化を継承していくこと——それが私たちの大きな使命だと、あらためて実感した瞬間でした。
「鮎」は単なる食材ではありません。それは地域の人々を結びつける絆そのものであり、コミュニティの中心にある文化なのです。
鮎料理の歴史——古代から現代、そして未来へ📜✨
鮎は、古くは万葉集や数々の和歌にも詠まれてきた「文化の魚」です。平安時代、室町時代にはすでに川漁が盛んに行われていました。貴族や武士たちも鮎を珍重し、特別な席での料理として供されていたという記録が残っています。
特に岐阜県は、全国でも有数の鮎の産地として知られています。「清流の女王」という呼び名も、岐阜の鮎の品質の高さを象徴する言葉として定着しています。長良川や根尾川など、美しい清流に恵まれたこの地域だからこそ、極上の鮎が育つのです。
近年、「天然鮎」と「養殖鮎」の違いも注目を集めています。和亭では、天然鮎が手に入ったときには特別メニューとしてご提供しています。天然鮎は脂のノリが違い、口に含んだ瞬間の香りの上品さが際立ちます。
養殖鮎も決して劣るものではなく、安定した品質で提供できるという大きなメリットがあります。それぞれに良さがあり、私たちは両方の特性を理解した上で、最適な調理法を選んでいます。
歴史的なエピソードとして、戦国武将たちも鮎を食べて力をつけたという逸話が残っています。織田信長も岐阜城にいた頃、長良川の鮎を好んで食べていたと言われています。武将たちにとっても、鮎は貴重なスタミナ源だったのでしょう。
地元では今でも「鮎料理を囲んで家族が集うのが夏の楽しみ」という方がたくさんいらっしゃいます。当店も、そうした”家族団らん”の場としてご利用いただいております。お盆の時期には、帰省されたご家族が三世代で来店されることも多く、そんな温かい光景を見ると、私たちも幸せな気持ちになります。
健康食材としての鮎——栄養の秘密🩺✨
鮎は美味しいだけでなく、実は優れた健康食材でもあります。ビタミン類が豊富で、特にビタミンB群やビタミンEが多く含まれています。
さらに注目すべきは、DHA（ドコサヘキサエン酸）とEPA（エイコサペンタエン酸）です。これらは魚に多く含まれる健康成分で、脳の働きをサポートしたり、血管の健康を保つのに役立つとされています。特に成長期のお子様や、健康を気にされる大人の方にとって、理想的な栄養源なのです。
そして鮎のもう一つの特徴は、良質なタンパク質が豊富であること。タンパク質は筋肉や肌、髪など、体を作る基本的な栄養素です。鮎は低脂肪・高タンパクで、ダイエット中の方にもおすすめできる食材です。
和亭では、骨までやわらかく焼き上げる技術を持っているため、鮎を丸ごと召し上がっていただけます。頭からしっぽまで、余すことなく食べられるということは、カルシウムもたっぷり摂取できるということ。小さなお子様の成長にも、ご年配の方の骨の健康にも嬉しい効果が期待できます。
お食事の最後には「鮎雑炊」をぜひお試しください。鮎の出汁がじんわりと染みわたる、胃にやさしい優しい味わいです。常連のお客様からは「この鮎雑炊を食べると、心も体も満たされます。毎年楽しみにしています」という嬉しいお声をいただいております。
健康志向が高まる現代において、鮎料理は伝統的でありながら、まさに現代人が求める理想的な食事と言えるでしょう。
鮎と川、自然保護への想い🌊🌳
鮎が棲む川は、”水質がきれい”ことの何よりの証です。鮎は環境の変化に敏感な魚ですから、鮎が元気に泳いでいるということは、その川が健全である証明なのです。
この美しい川を次世代につなげていくこと——それは私たち飲食店や地域住民にとって、本当に大切な使命です。和亭では、定期的に川の清掃活動に参加しています。スタッフ総出で根尾川の河川敷を清掃し、ゴミを拾い、環境保全に努めています。
また地元小学校の環境学習にも協力しています。子どもたちに川の大切さを伝え、実際にやなを見学してもらい、鮎という魚を通して自然との共生を学んでもらう——こうした活動を通じて、未来を担う子どもたちに鮎文化を継承していくことができます。
店内でお客様との会話でも、こんなやりとりがよくあります。
「ここの鮎はどうしてこんなに美味しいんですか？」
「やっぱり水がきれいだからですね。この根尾川は、地域のみんなが一生懸命守っているからこそ、こんなに美味しい鮎が育つんですよ」
こんな会話が自然に交わせるのも、”鮎のいる町”ならではの素敵な風景だと思います。
近年、気候変動や環境問題により、全国的に鮎の漁獲量が減少傾向にあります。だからこそ今、川を守る活動がこれまで以上に重要になっているのです。
私たちは鮎という恵みをいただく立場だからこそ、その恵みを生み出す川を大切にしなければなりません。美味しい鮎料理を提供し続けるためには、美しい川を守り続けることが絶対に必要なのです。
おわりに：2026年も根尾川と鮎料理でお待ちしています🐟💚
鮎といえば岐阜県——その中でも根尾川の「やな」と和亭は、川魚文化の最前線で歴史を紡ぎ続けてきました。
鮎料理は単なる「地方の食べ物」ではありません。それは土地の誇りであり、命をつなぐ知恵であり、世代を越えて長く愛され続ける伝統文化なのです。
毎年、シーズンが終わる頃には少し寂しい気持ちになります。でも同時に、来年また皆様とお会いできる日を楽しみに、スタッフ一同準備を進めていく喜びもあります。
2026年7月1日、また根尾川のせせらぎと共に、皆様をお迎えいたします。自然豊かな根尾川と、極上の鮎料理、そして温かいおもてなしで、新たな出会いと感動が生まれることを心から願っております。
四季折々の美しい景色の中で、清流が育んだ鮎を味わう——そんな贅沢な時間を、ぜひ上長瀬やな和亭で過ごしてみませんか？
ご家族で、ご友人と、大切な人と。皆様のお越しを、スタッフ一同心よりお待ちしております😊
📅2026年度営業：7月1日開始予定
🍃**上長瀬やな 和亭（なごみてい）**🍃
岐阜・根尾川の自然に囲まれた「やな」で、旬の鮎を炭火で。
魚屋一筋30年の目利きが選ぶ、極上の鮎料理をぜひご堪能ください。
📍岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬720
📞 ご予約・お問い合わせ：0585-55-2630
🕒 営業時間： 11:00～ 17:00 ラストオーダー16:30
🚗 大型駐車場完備 / PayPay対応
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